“包装は、“物を包み、外的要因から隔離する”ことが基本とされており、「封」をするための技法が古くから種々考案されており、最も一般的な技法です。封をする技法としては、単に紙やフィルムで包むものから完全に密封する封緘(ふうかん)技法まで、いろいろなレベルのものがあります。
また、包装される対象として主となる食品や医薬品などの場合、内容物に影響を及ぼす主たる外的要因としては、酸素、水分、光、温度、微生物などが挙げられ、包装の機能として、このような外的要因を抑制する必要が出てくるため、これらの要因を制御する種々の技法も並行して使用されております。
包装技法の例
例えば、酸素などのガスの透過防止技法としては、「真空包装技法」、「ガス置換包装技法」、「ガスバリア包装技法」、「脱酸素剤封入包装技法」、「酸素吸収性容器包装技法(アクティブバリア包装技法)」などが挙げられます。また、野菜や果物などの青果物の鮮度を保持するための包装では、酸素や炭酸ガスの透過を制御する技法が必要となります。
乾燥した食品や医薬品のようなものの包装では、水分の侵入を防止することが重要となり、「防湿包装」が適用されています。水分は、物理的に内容品に影響を与えるだけに留まらず、その存在は微生物の繁殖する原因にもなりえます。光は、その物理化学的作用により、食品や医薬品の変質・劣化の原因となります。特に、紫外線はその作用が強力であると言われております。
また、酸素の存在で酸化反応の速度が顕著となります。また、包装材料には透明性が要求されるため、それに伴って紫外線を吸収するための設計が必要となることもあります。さらに食品包装の場合、微生物を制御する技法が特に重要となります。微生物の進入を制御する方法として、「殺菌」、「静菌」、「除菌」の方法があります。無菌・無菌化包装技法は、微生物を遮断する技法ですが、内容物や包装材料は、熱や薬剤、あるいは放射線などにより殺菌されることもあります。以上は、内容品を“保護”することを主目的にした包装技法ですが、それ以外に特殊な包装技法もあります。