日本の歴史を振り返ってみますと江戸時代の中期に、江戸の町は100万人ほどの人口を抱えるマンモス都市であったようです。当時、江戸の町の賑わいは世界一であったと称されるなか、人々は様々な工夫を生活の知恵として豊かな暮らしを実現していたようです。決して現代のような便利な社会であったとは言えない江戸の町が、どうして豊かな大都市として表現されるのでしょうか。そこには江戸の人々の暮らしがあらゆる資源をムダにしない生き方と結びついていたことが大きなヒントとなりそうです。現代のようなスマートフォンもインターネットもない時代に生きた江戸の人々は、限りある資源を有効的に理ようすることに長けていたと言われています。このような生活の知恵は、「節約」「エコ」といった表現で説明することができますが、現代の生活スタイルとの大きな違いはモノを大切にしていた人々の精神に宿っているかもしれません。1800年代後期から世界で起こった産業革命は、地球資源である「化石燃料」を大量に消費することで経済の発展の基盤を構築してきました。