包装として紙はたくさんの利点があります。水や油に弱い、紙の粉が出やすいという欠点もあります。こういった欠点をカバーするための加工がいろいろとあります。水に強い紙というのは、パルプに樹脂を混ぜたサイズ剤内添紙というものがあります。牛乳用紙容器というのは、紙端面が液に接しても低温流通で浸透性が低いので、サイズ剤の利いた紙で十分といえます。耐水性の求められる場合には、さらに樹脂を塗工した加工紙を使うようにします。油に耐える紙として、環境問題からフッ素系でない耐油性樹脂が用いられます。テイクアウトなどの油あげの食品の外箱には、これが使われます。内部には、油を吸って水を弾く吸油、撥水紙が使用されます。青果物は熟成ともにエチレンが生成します。エチレンを吸収したら鮮度が保たれるということで、活性炭を塗った段ボール箱などを使用します。注射器やカテーテルなどの医療品の包装は、紙粉が異物となります。紙粉のでない合成紙や混抄紙を使用しています。プラスチックパルプだけで作った紙を合成紙といいます。混抄紙は、木材パルプにプラスチックパルプを混ぜて抄紙機ですいた紙のことです。これは紙粉が出ないでヒートシールができます。そして殺菌ガスが通過して滅菌ができるので医療用の包装としてとても最適なものです。半導体のような電子部品は、微電流によって機能が破壊されてしまいます。このため、静電気を溜めずに逃がす紙が必要です。そのため導電性カーボンを添加します。導電性カーボンを添加したり塗ったりすると静電気が滞留しないからです。水分調整紙は、吸水性ポリマーを塗った紙になります。宅配ピザや米飯などの湯気がでるようなものに使います。