電子回路を構成する部品にサーミスタがあります。しかし、特性によって分類される種類が異なるため違いを正しく理解することが大切です。今回は、サーミスタの概要や種類について解説します。
サーミスタってなに
サーミスタは、電子回路を構成する部品です。熱を敏感に察知して電気抵抗が変化する温度センサーの役割があります。温度が高くなると電気が流れやすくなり、温度が低くなると電気が流れるといった特徴があります。
サーミスタの特性を利用すれば、内部に流れる電気で温度を把握することが可能です。サーミスタは安く導入できるうえに衝撃や振動に強いため、私たちの暮らしを支える幅広い分野で使用されています。
サーミスタの種類
サーミスタの種類は、特性によって分類されます。主な種類を確認していきましょう。
Negative Temperature Coefficient
温度が上がると抵抗値が下がる電子部品です。Negative Temperature Coefficientの頭文字をとって「NTCサーミスタ」と呼ばれます。スマートフォンなど、一般的な温度センサとして多くの電子機器に使用されているのも特徴です。NTCサーミスタでスマートフォン内部の温度を測定して、その温度情報を使用して制御しています。
Positive Temperature Coefficient
温度が高くなると、電気抵抗値が正の数の係数だけ変化する部品です。電気を流すと電気抵抗によってジュール熱が発生して温度上昇しますが、一定温度に到達すると抵抗値が増えて電気が流れにくくなります。電気が流れにくくなる特性を活かして電流制限素子として使用されることが多いです。Positive Temperature Coefficientの頭文字をとって「PTCサーミスタ」と呼ばれます。
Critical Temperature Resistor
一定の温度を超えると、温度の上昇に対して急激に抵抗値が減少する部品です。材料は、バナジウムの酸化物に添加物を加えて焼結したものになります。Critical Temperature Resistorの頭文字をとって「CTRサーミスタ」と呼ばれます。CTRサーミスタは、NTCサーミスタやPTCサーミスタに比べると一般的に使用されていません。
まとめ
電子回路を構成するサーミスタには、温度センサーの役割があります。またサーミスタの特性を利用すれば、内部に流れる電気で温度を把握することが可能です。サーミスタの種類は特性によって分類されるため、それぞれの違いを正しく理解しましょう。
参考: