静電気やサージから保護する目的で使われる電子部品にバリスタがあります。しかし、どのような特性があるのかわからない方もいるでしょう。今回は、バリスタの概要や役割、使い方について解説します。
バリスタとは
電子回路を構成する部品のことを「バリスタ」といいます。一定以上の電圧を印加すると、爆発的に抵抗値が小さくなる素子です。印加とは、電気回路に電源や別の回路から電圧や信号を与えることです。
バリスタに使われる素材でもっとも多いのは、酸化亜鉛になります。バリスタは英語で「Variable Resistor」と表記され、日本語では「電圧依存性抵抗」「非直線抵抗」と呼ばれています。
バリスタの特性・役割
バリスタにかかる電圧が小さいとき、抵抗値が高くなります。逆に、電圧が大きくなると、抵抗値が低くなるといった特性があるのが特徴です。電流-電圧特性が対称であるため極性がありません。
静電気対策にも使われる
冬に車やドアノブに触れたとき、パチッと静電気を感じることがあるはずです。このような状態になるのは、人体に静電気を溜め込んでいるためです。
近年はモバイル化が進んでおり、静電気を感じることも増えています。集積回路に静電気が起こると誤作動の原因になるため、バリスタが活躍する場が増えていくことが予測されています。
ツェナーダイオードとの違い
ツェナーダイオードとは、電圧を一定に保ちながら電流が流れる電子部品のことです。一般的なダイオードは、順方向の接続しかおこなわれません。ツェナーダイオードは逆電圧を流すのが目的であり、一定以上の逆電圧がかかると急激に電流が流れます。
ツェナーダイオードよりバリスタが優れているのは、軽量化や実装面積の削減をおこなえる点です。また極性がないため、ひとつで正電圧・負電圧の両方から電圧に対応することができます。一方、ツェナーダイオードは極性があるため、一方しか対応できません。
まとめ
バリスタは、電子回路を構成する部品です。電子機器のモバイル化が進んでいるため、手に触れる機会が増えています。このようなときに発生する静電気は、集積回路の誤作動を起こす原因になることが多いです。今後もバリスタが活躍する場面が増えていくことが予測されています。ツェナーダイオードとの違いも正しく理解しておきましょう。
参考: