包装材は、その内容物によっては、消費者の健康、安全に大きく影響します。従って、次のような点に気を付けて生産しなければなりません。第一に、消費者保護のために、情報開示を徹底しなければなりません。包装材に内容物に関する情報を記載するのはもちろんのこと、表示が適正であるかも確認するようにします。
第二に、内容物の品質を保持する役割をきちんと果たすことです。そのためには、間違いが無いように、生産システムの中にチェックポイントを設ける必要があります。第三に、環境への影響を抑制することです。包装材は自然との共存を志向した設計でなければなりません。過剰包装を控えるのもその一つです。第四に、安全を確保するためのマネジメントを確立することです。第五に、障害者等の弱者にも利用してもらえるような設計を心掛けることです。
これらの設計思想は、包装材メーカーの社会的責任と言えます。この責任のことを、最近ではCSRと呼ぶ人がいます。企業にとってのステークホルダーは様々で、顧客、株主、マスコミ、社員等が挙げられます。彼らとのコミュニケーションも大切ですが、消費者の視点も忘れてはなりません。企業は信用が大事ですが、危機管理や情報開示に積極的な姿勢を見せることで、随分と信頼を得ることが出来ます。また、環境対策を講じている姿勢を示すことで、より一層高い評価を得られるでしょう。
情報開示については、隠蔽を最大の罪としなければなりません。現在では内部告発の制度も整いつつありますから、隠蔽しても結果的に痛手を被ることになります。情報開示も含めた、自社の理念、指針を、社員の一人一人が意識することが大切です。