ギャラリーのスタッフとして、働いて半年が経とうとしています。経済的に、余裕があるアーティストさんと、そうでないアーティストさんは、作品の梱包材や包装材、配送方法を見ていると、なんとなく分かるようになってきました。
中には、良く作品が売れる、人気アーティストの方でも、売れなかった時代を、忘れないようにと、何度も再利用した梱包材や緩衝材で、作品を包装し、手運びする方もいらっしゃいます。そういった、アーティストさんとお話していると、皆さん、作品を保護する梱包材や、緩衝材には、とても気を使っている事が伺い知る事ができます。作品が売れず、お金が無い時代、段ボールのような梱包材も買えないので、よく、近所のドラッグストアでお願いして頂いたものです。とお話してくれたのは、今では、展示会初日に、展示作品がほぼ完売するような人気作家Mさんです。
Mさんは、楽しそうに、ドラッグストアに段ボールを頂きに行く、ご自分の様子をお話して下さいました。もうね、ドラッグストアの店員さんとは顔見知り出しだからね、私もね、だんだん、この曜日のこの時間帯に、商品全般の搬入があって、商品の陳列が、だいたいこのくらいの時間に終わるから、何曜日の何時くらいが、ちょうど段ボールが大漁に確保できる時間帯だというのが、だんだん分かってきたの。だから、天気の良い日の大量日は、買い物もしないのに行くんですよ。
スーパーの段ボールは、食品関係の箱もあるので、作品の梱包材としての段ボールは、ドラッグストアのものが良いと、私は考えているんです。そして、段ボールの強度は、中に入っていた商品の重さに比例しているんですよと教えてくれました。軽めの物が入っていると、段ボールの強度が弱いので、あの作品に使おうかなとか、この段ボールは、こっちの作品だなとか、計算しながら頂いてくるんです。今でも、段ボールの目利きなら、任せて下さい。というMさんは、ご本人が製作する作品のように朗らかに笑いながらお話して下さいました。